「……」

 アリシアは、メープルシロップとバターの乗せられたホットケーキにフォークを立てる。不満そうに1切れ口に運ぶが、味は最高だった。

 フォークを噛みながら、

「ケーキのハズだったのに」

「どっちでもいいじゃないですか。美味しいですよ」

「美味しいけど」

 ケーキ、作りたかったな……

「……」

 悲しげなアリシアの表情に、ベリルは小さく笑って立ち上がる。

「!?」
「まだ時間はあります。やりますか?」

 その言葉に、アリシアは笑顔になった。