エメラルドの傷

その次の日、ベリルがいつも料理を習う部屋でアリシアと2人ケーキ作りを始めた。

「で、どんなケーキを作りたいのですか?」

「えと、普通の……」

 言われて、ベリルは眉をひそめる。

「……」

 アリシアは自分の言葉に半笑いになった。

『普通の』って何よ私……。いくら緊張してるからって『普通の』は無いでしょ

 ……って、なんで年下の子に緊張しなきゃなんないのよ!

「……」

 どうやら心の中で葛藤を繰り返しているであろうアリシアを、ベリルは見つめてクスッと笑う。

「じゃあ、まずスポンジケーキから作りましょう。飾り付けは、焼いている時にでも考えましょうか」

「あ……そ、そうね。そうするわ」