「あの子……あなたに一番、懐いている気がして」

「あっはっはっ俺に?」

 笑い飛ばしたブルーに、アリシアは少し口を尖らせる。

「だって、あなたと会話している時……彼とても楽しそうにするのよ」

「それはあれだよ、『戦場にいる仲間』。みたいなもんだ」

「そうなんですか?」

 全てを知っている彼に、ベリルが心を開くのは当然のことなのかもしれない。

 だが、それを他の人間に話す事は出来ない。心苦しいがそれが約束なのだ。

 ベリル自身も、彼らのために自分の正体を明かす事はしない。

『知るべきでないモノ』

 己の存在を、そう認識しなくてはならない現実。その事に、ブルーは眉をひそめた。

 ならば……せめて俺だけでも、彼の理解者でい続けてやりたい。