エメラルドの傷

 そんな事があった1年後、ベリルの部屋に1人の男が案内される。色あせたような金髪に、深い海のような瞳。

 30代後半と思われる精悍な顔立ちの、その男はベリルを見て眉間にしわを寄せた。

「こんな子供に……?」
「よろしくお願いします」

 10歳になったベリルは小さく笑った。そして、少年にトレーニングルームに案内される。

「……」

 こんな子供に何を教えろというんだ……ブルーは呆れた。

「教官」
「えっ。なんだ?」

 唐突に呼ばれて、つい声がうわずった。ベリルの目に、一瞬ゾクリとする。

「あなたは、私に戦術を教える方ですから、おそらく、教授たちから私の事を知らされると思います」

「何……?」

 意味が解らない、何を知らされるって?