「彼は、自分の事を……」
「話したよ。3歳の時にね」

「! どうしてっ」

「その方が実験はスムーズに進むのだ。理解しない子供ほど厄介なものは無い」

「!」

 これだから学者というのは……マークは喉の奥で舌打ちをした。

「他に、何かありますか?」

「今の処、支障は無い。感情の起伏の他に、生殖能力が欠如しているのをのぞけばな」

「! 生殖能力の欠如? 問題無いのですか?」

「その部分の研究は彼を対象としては出来ないが、その他の部分については問題は無い。“キメラ”という研究においても、見ておわかりのように成功だ」