元々優しい両親が、この2日間はさらに優しかった。

夕飯は俺の好きな物ばかりだった。


そして1日経って引っ越しの前日。

仁が帰って来た。

仁は高校に入ってから、女の家を転々としていて、1週間に2、3日しか帰って来ない。
最初のうちは親も色々言っていたが、仁は全く聞かず、結局帰って来ない日は連絡する事を条件に許したらしい。

俺「俺明日から兄貴と暮らすから。父さんと母さんの事頼むな」

仁「は?ここからでも大学通えるだろ?」

俺「まあ、ちょっとな。てか、お前はちゃんと帰って来いよ」

仁「うるせーな」

俺「頼むから。父さん達にあんまり心配かけるな」

仁「自分だけ好き勝手やっといて命令すんな」

俺「急に家を出る事になって悪いと思ってるよ。ただ、お前の家はここだろ?父さん達は何も言わないけど、本当に心配してるんだぞ」

仁「んな事わかってるよ」

俺「じゃあ頼んだぞ」


俺はそう言って自分の部屋に入った。