ただ君の側にいたかった…

み「まだ?」

俺「まだ」

これを何度も繰り返した。
今この腕の力を緩めたら皆の元に戻らなきゃいけないって思うとなんだか名残惜しくて、腕の力を緩める事ができなかった。


私「陸くん、そろそろ戻ろう?」

さすがに嫌気がさしてきたんだろうな。

陸「ん?もう少し」

最後の悪あがきで、強く抱きしめた。


私「陸くん痛い!」

やべえ。力の加減するの忘れてた。

陸「あ、悪い。ん〜、行くか」

反省して大人しくみぃこから離れた。


そして車に戻り、皆の待つ兄貴の家へ帰った。


帰りの車内で、車が揺れる度に騒いでいるみぃこがおもしろくて、からかってやりたくなった。

兄貴の家に着いた時、車を降りようとするみぃこを呼び止めた。

みぃこが俺の方を振り返ったタイミングを見計らって、俺は再びキスをした。

軽く触れる程度だったが、みぃこはまた固まった。

さっきと全く同じ反応が可愛くて口元が緩んでしまった。

そんな俺を見て我に返ったみぃこは、なんか叫びながら部屋に走って行ってしまった。


俺は一人車に乗ったまま、しばらくの間今日の出来事を思い返していた。