卒業式って、やっぱ第2ボタンもらいに来る奴いるんだな。

中学の卒業式でもそうだったが、亘の第2ボタンを貰いに来る女がたくさんいた。
って言っても第2ボタンは1つしかないから、結局すべてのボタンを奪われていた。
しまいには制服すら奪われそうになって、必死に掴んでる亘に俺達は笑っていた。

亘の元に来る女にまじって、俺達にもボタンをくれって奴がいたな。
恵介と彰は喜んであげてたけど、俺はやらなかった。

実は、朝来ていたみぃこからのメール。
卒業おめでとうの後に、
『第2ボタンちょうだいね♪』
って書いてあったんだ。

みぃこは先輩の名札とかを集める趣味があるらしく、そのコレクションの1つにしたいんだろうな。
とにかく妹のような存在であるみぃこの頼みは断れないから、俺はボタンを死守した。


しばらくして亘に群がる女達が減ってきたから、校舎を出ることにした。

すると、バスケ部のマネージャーが下駄箱の近くにいて、俺はこいつに告白された。
ても、悪いけど断った。

俺好きでもない奴と付き合う事はしないんだ。
正直、彼女なんていない方が気楽でいい。