夜はまだ冷える4月初旬、俺は奈々に追い出されて散歩していた。

なんでも、来週みぃこの後輩の結婚式があり、奈々が着ていく服を見立てるらしい。

奈々は昔からみぃこに色々な服を着せるのが好きだった。

何度も着替えるから、男は出てけってことらしい。


よく言えば閑静な住宅街にある俺の家。

近所を散歩しても、無機質な家が立ち並ぶ景色が続くだけ。

そろそろ散歩に飽きてきた俺の背後で、走ってくる足音が聞こえた。