それからのみぃこは、いつも無理して笑っていた昔とは違い、感情を素直に出すようになった。

俺や奈々のような気心の知れた限られた人の前でだけ。

涼のことを思い出して悲しくなった時には、すぐに俺の家へ来た。

俺がいなくても、俺の部屋にいると落ち着くからと言って、今まで以上に俺の部屋に来るようになった。

泊まって行くこともよくあった。

今でもみぃこが好きな俺にとって、毎日が生殺し状態。

でも、涼との想い出に苦しむみぃこに手を出すことはできなかった。

その上みぃこが心配だからと、奈々や麗子まで頻繁に俺の部屋に泊まりに来た。

揚げ句のはてには、俺の部屋なのに邪魔だと奈々に追い出される始末…

寒空の下、1時間以上散歩したこともよくあった。


そんな理不尽な扱いをされている俺に、唯一救いの手を差し延べてくれるのはみぃこだった。