みぃこ達が付き合い出して1年が過ぎた。


1月末で大学が終わったみぃこは、春休みを地元で過ごすつもりでいた。

でもその前に海に行きたいって騒ぐから、連れてってやる約束をしたんだ。
俺の仕事が終わってから、夜の海に連れていくことになった。

当日、みぃこが夕飯を作って待っていたから、仕事が終わるとみぃこに連絡を入れて真っ直ぐ家に帰った。


「ただいま」

いつもなら犬みたいにしっぽ振って玄関に飛んでくるはずのみぃこが来なかった。

家の中に漂うおいしそうな匂いが、みぃこの存在を知らせていた。

不思議に思いながら部屋のドアを開けると、テーブルに並べられた夕飯と同時に、固まって何かを呟き続けているみぃこの姿が視界に入った。

どう考えても不自然だった。