しばらくの間、辺りは奈々の泣き声だけが響いていた。
奈々の泣き声が小さくなった頃に、ようやく俺は口を開いた。

俺「ごめんな…」

奈「もういいよ。陸の人生だもん。私が止める権利なんてないから。よく考えたら、浩がいなくなった今はもう、私達って何の関係もないし」

俺「それは違うだろ?そんな寂しい事言うな。何かあったらすぐ来てやるから」

奈「あんたは私の彼氏か!笑」

俺「なってやろうか?笑」

奈「嫌だ〜!笑」

俺「そんなに嫌がるなバカ!地味に傷つくっての。笑」

奈「…じゃあ付き合おうか♪」

俺「無理」

奈「うわっ!傷つくと言ったくせに、自分は平気で言うのね」

俺「4、5年前なら喜んで付き合ってたけどな。笑」

奈「今はみぃこが良いって?」

俺「…まぁな」

奈「あんた意外に一途よね。遊んでそうに見えるのに」

俺「勝手に言ってろ」

自然に笑う奈々を見て、俺は安心したんだ。

結局奈々は、俺を笑顔で見送ってくれた。