俺が高3の冬。

兄貴も姉貴も既に家を出ていた為、実家にいるのは俺と仁だった。


日付が変わる少し前。
俺は自分の部屋でギターをいじっていた。

すると、母さんが部屋に来た。
俺はギターの音がうるさいって言われるのかと思ったが、その予想は外れた。

母「陸、今から浩が奈々ちゃん連れてくるって」

俺「今から?遅くね?」

母「浩の事だからなんかあるんでしょ。あんたも顔出しなさい」

俺「仁は?」

母「彼女の所じゃない?それより、車移動して浩の車停めるスペース作ってきて」

俺「はいよ」

免許を取ったばかりの俺は、ちょっと車を動かすだけでもうれしくて、すぐに車に向かった。

って言っても車の移動はすぐに終わり、家に入ろうとした。

その時、車のライトが見えた。

田舎だから、こんな遅くに車が通る事はほとんどない。

兄貴だとすぐにわかった。