俺にはやらなきゃならない事があった。

兄貴が最後に俺に頼んだから。奈々とみぃこの事を…


俺は奈々の側にいてやる事にしたんだ。
みぃこは祐司が守ってくれるし、彼氏もいたから。

今の奈々には誰かが近くにいてやらないと。引っ越して来たから、近くにダチもいないし。
正直、後追い自殺とかしてなくてよかった…
償いの為にも、俺は奈々を守らないといけないと思った。


退院してから奈々に会いに行くと、元々細かったのに更に痩せ、情緒不安定で、別人の様だった。

完全に現実逃避をしてしまっていた。


暇さえあれば兄貴からもらった指輪を見つめ、
「私もうすぐ結婚するんだよ」
って笑顔で話し…

俺はその度に泣きそうになった。