それから俺は、骨がくっつくのを待ってリハビリをした。

そして主治医すら驚く程の回復力で、俺は予定より1ヶ月近くも早く退院する事ができた。
でも俺には、それすら申し訳なく感じたんだ…
兄貴ごめんな…

入院している間、家族、亜希、恵介や彰達が見舞いに来てくれた。
でも俺は誰が来ても話す気になれず、ほとんど話さなかった。

皆俺が自分を責めている事に気付いている様で、酷い態度をとっているのに、何度も見舞いに来てくれた。

俺がそんな状態だったからなのか、俺が退院するまで知らされなかった事があった。

奈々の家族が俺の実家の近くに引っ越して来ていたんだけど…
奈々は兄貴が死んだという現実を受け入れられず、精神科のある病院に入院してしまったらしい。

やっぱり奈々には兄貴が必要だったんだよな…

俺は更に自分を責めた。
奈々まで苦しめてしまって、本当に俺は最低な奴だよな…



退院後の俺は、何を見てもこじつけの様に兄貴が思い浮かび、全てに罪悪感を感じた。
生きている事すら申し訳なかった…