ただ君の側にいたかった…

この峠道はカーブがかなり多いし、通る車も少なく、静かな道だった。



そんな中で俺が眠気に負け瞼を閉じるとすぐに、前から大きな音がした。

驚いて前を見ると、カーブの所でケツを振り、道を塞ぐ様に横滑りしているトラックがいた。

俺がトラックを見た瞬間、兄貴が突然ハンドルを切った。

トラックがそのまま真っ直ぐ行ってくれれば擦る程度だったのに、トラックの運ちゃんはパニクっていたらしく、なぜかハンドルを切って俺達の方へ向かって来たんだ。

浩「陸大丈夫か?」

ハンドルを切って車が停まった直後に俺を見てそう聞いてきたから、兄貴は背後に近づくトラックに気付いていなかった。


俺が言葉を発する前に、トラックが運転席に突っ込んで来た。


一瞬の出来事なのに、俺には全てがスローの様に鮮明に見えた。

トラックは運転席に突っ込み、助手席の手前で停まった。
俺達の乗った車はトラックにぶつかった反動で吹っ飛び、今度は助手席側がコンクリートに衝突した。
その瞬間、俺は意識を失った…


意識を失う直前まで、笑顔だった兄貴が目に焼き付いていた…