そのひとつが、信玄の命によって、各地に散った『三桜の刀』の存在である。信玄の憂いをその3つの刀は如実に顕している。

『義』乱れるときには、『紅桜』を。
『信』乱れるときには、『金桜』を。

そして、
『民』が害されるときには、『白桜』をもってこれを討て・・・。

それぞれの命を受けた武将と忍びは、それぞれの秘術をもって、この命を子々孫々伝承し、これを守ることを信玄公に誓ったのである。

常篤の有する『白桜』にまつわる秘術も武芸でありながら、その技はどこか忍びに近いところがあるのは、信玄が忍びを重用して情報戦を重視し、この忍びの技術や秘術に惚れこみこれを愛したことによることが大きい。
当然信玄が影で進めたこの三桜の伝承には深く忍びがかかわり、その伝承に大きく貢献した。

常篤の一族はいうまでもなく、この信玄公より預かりしひとつの刀・・・『白桜』を伝承してきたのである。