そこまで言いかけたところで、押し寄せてきた民衆がわっと佐助を取り囲んだ。
(常篤様・・・あなたはこんなにも民に愛され、感謝されております。この民の心がこれからの時代を切り開く・・・あなたはそうおっしゃっていました・・・)
佐助の胸に再び熱いものがこみあげる。
(この上は、この佐助、身命を賭して常篤様として生きる人生をあいつとめまする!)
佐助はそう覚悟を決めると、民衆に向かっていった。
「これからが大変です!皆様。力を合わせて、この松代を、日本を盛り立てていきましょう!」
取り囲んでいた民衆からワッと拍手と歓声があがる。
(これで・・・これでよろしいのですね?)
佐助は常篤の安置された屋敷の方を振り返り、一礼した。