「福田屋の使いとして月に何度か城の諏訪をたずねてりますが・・・怪しい部分はなく、単純に諏訪の情婦としてのお役目を受けているものとおもわれまする。」
「それは紗枝殿もお覚悟の上でのことか?」
「いえ。おそらく、その前後の様子を察するに、いたしかたなくそのようなことを強要されているご様子にて。」
「・・・」
「さらに福田次郎においては、さらに暴力的な・・・その交わりを求められておりまして・・・」
「そのことはもうよい、」
常篤は佐助の話を切った。
「よろしいので?」
佐助が確認する。
「よい。」
「失礼ながら、常篤様は紗枝殿に尋常でない関心を寄せられていると見ましたゆえ・・・」
「よい。」
常篤はもう一度制止した。
「紗枝殿には紗枝殿の事情があろう。それは諏訪の一件とは別問題だ。」
「わかりました。」