いつもあたしのことを見てくれていたという広瀬さん。 その人と飲み会で偶然出会うというシチュエーションは、やっぱりどこか運命的でもあるけど。 さらにその人がバラの花束を持って現れるというのは、ロマンチックな気分に浸りそうにもなるけど。 しかもその人はルックスも良くて、思いのほか気が合いそうだったけど。 だけど、そんな風に状況が整っていても、あたしはやっぱり、恋に落ちたりはしない。 心はカケラも、揺れたりしない。 だってその人は―― カイト先輩ではないから。