「そっか。
じゃあ、アメリカにいるはずの君の恋人がこうしてここに突然現れたのは、ありえない特別なこと……
君にとっての『ブルームーン』だな。
――その花束、置いていっていいから、早く行ってあげれば?」
「でも……」
もらった花束を置き去りにするのは申し訳なくて、一瞬迷ったけど。
「君が天文部出身って知らなかったから、うっかりブルームーンなんて浅い天文知識で口説いたのが、そもそも失敗だったよな、俺」
早く行けよ、とあたしの手から花束を取りあげた広瀬さんに、「ごめんなさい」と告げて。
あたしは、席を立ち……
カイト先輩の元へと走り出した。


