「――あ、ごめん、セーラ。あたし、次の授業にそろそろ行かないと」
「うん、あたしは次の授業が休講だから、ここで時間つぶしていくわ」
「了解。……って、セーラ」
イスから立ち上がったユリが、あたしの背後に目を向けている。
「誰か、こっちに来るけど」
「え?」
あたしが後ろを向いたのと同時に、目の前にぬっと薄紫の物体が現れた。
「きゃっ」
驚いて目を閉じたあたしが、そろそろと目を開けると……
顔の前にあったのは、薄紫色のバラの花束で。
驚いて顔を上げると、そこにいたのは……
「あ……昨日の……」
昨日合コンで会った、広瀬さんだった。


