先輩。

カイト先輩。

こんなの嘘でしょ?


いつかあたしと同じ未来を歩きたいと思ってるって言ってくれたじゃない。

いつか結婚しようって言ってくれたじゃない。


まだ何も……

約束した未来は、まだ何も実現してないよ……!



車窓から流れる風景は、もう涙で何も見えない。



先輩と過ごしたいくつもの季節が、あたしの脳裏に浮かんでは消える。


先輩が渡米した後、離ればなれに過ごしてきた季節も……

あたし達の心の距離が離れることはなかった。


物理的な距離と心の距離は比例しないのだと教えてくれたのは、カイト先輩だ。