高校を卒業したユキコ先輩は、強い春風の吹いたある日、京都へと旅立っていった。

京都の大学に進学するためだ。


あたしは見送りに行こうと思っていたけど、カイト先輩に止められた。

ダイスケと2人で別れを惜しみたいだろう、と。


二人はこれから、遠距離恋愛となる。


遠距離恋愛……

会いたい時に会えない恋愛は、あたしには想像もつかない寂しさがありそうで、二人の気持ちを思うと、胸がギュっと痛くなる。



あたしが五味先生から、予想もしていなかったことを聞いたのは、その数日後のことだった。