春の訪れを感じはじめた頃、五味先生がサヤカさんと結婚した。

二人が再会してから、わずか3か月後のことだった。

五味先生は学生結婚となる。


年齢の差も、空白の時間も、学生という立場の問題も、すべてを飛び越えた二人は、仲間内だけのささやかな結婚パーティーを開いた。



シンプルなドレスを着たサヤカさんは、ペンションで会ったときよりずっとキレイで――


「おめでとうございます」


お祝いに駆けつけたあたしとカヨに


「ありがとう、本当に」


ふんわりと微笑んだ。