五味先生とサヤカさんが、あの日、どんなことを話しあったのかは分からない。

けれど二人の関係は、カヨの予想どおり復活したようだ。


23歳の女教師と17歳の男子生徒。

そんな関係だったころ、周囲は決して二人を認めようとはしなかったけど……

26歳と20歳の男女には、その頃ほどの障害はない。

時が自然に、問題を解決した。



「……二人の年齢差が変わったわけじゃないのに。

たった3年しか経ってないのに、なんだかヘンですね」



いつものカフェで、カイト先輩とお茶をしながら、あたしはつぶやいた。



「それが、世の中ってやつなのかもな」



カイト先輩が静かに答える。




――今日はクリスマスイヴだ。

カフェの片隅におかれたクリスマスツリーのライトの点滅が、クリスマス気分を盛り上げている。