掃除が終わると、あたしはトイレで、髪をとかした。


あたしの髪は少しクセっ毛で、だけどそれはコンプレックスに思うほどのものではなかったのだけど……

風に揺れていたユキコ先輩のサラサラのロングヘアを思い出すと、急に自分のクセのある髪が、コンプレックスに思えてきた。



「ユキコ先輩の髪……シャンプーのコマーシャルでもできそうなほどキレイだったなぁ」



ダイスケは、「あの髪に触れてみたい」とか、思うのだろうか。


自分の髪の毛先に触れ、あたしは少し、沈んだ気持ちになる。




「……あ、部活、早く行かなきゃ」



ふいに我に返ったあたしは、慌ててリップを塗りなおし、部室へと向かった。