カイト先輩達のチームの試合にも、あたしとカヨはたびたび応援に行っていて。

サークルの人達とも、すっかり仲良くなれていた。


カヨは、「塾講師」としてではないプライベートの五味先生を知れば知るほど、ますます好きになっていっているようだった。



カイト先輩から聞いた「五味先生の高校時代の恋の話」は……

カヨには話していない。


だって、「教師と生徒の恋」にトラウマがある云々というのは、あくまでもカイト先輩の憶測だし。

人の気持ちは、時とともに変わるものだし。


それに……


「お前ら、また来てるのかよ。毎回試合を見に来る暇があったら、勉強しろっつーの」


そう言いながらもどことなく笑っている五味先生は、最初の頃よりもずっとあたし達に心を開いてくれているような気がして。

「塾の生徒」という存在よりは、もう少し近い距離に来れているような気がしたから。