「あいつが女の子をとっかえひっかえなのも……過去の傷からヤケクソになってる部分もあると思うけど、それ以外に……

サヤカ先生の残像を追い求めてる部分もあると思うんだ。

あいつが選ぶ女の子は、いつもどこか、サヤカ先生に似てる気がする。

それは性格だったり、髪型だったり、話し方だったり、似てる部分はその時々によって違うけど」



「まだ引きずってるってことですか?」



「かもしれないな。

だけど同時に、深く後悔もしてるみたいなんだ。

自分のせいで、彼女の人生が狂ったことに対して。

だから……あいつは『生徒と教師の恋愛』は、もうしないと思うよ。

たとえ単なるバイトの塾講師でも、『自分の生徒』である以上、あいつは絶対に手は出さないと思う」