恋する星曜日~Pure Love Story~

ところで、あたしは今までバスケには興味がなくて、学校の体育の授業くらいでしかやったことも観たこともなかった。

だけど――

試合が始まると、目が釘付けになる。



ダンダンダンと、体育館に響くドリブルの音。

息つく暇もないほど、早いゲーム展開。

むせ返るほどの熱気。


――しなやかに動くカイト先輩の、腕の筋肉。脚の筋肉。

飛び散る汗。

大きな手から放たれるシュート……

ゴールに入ったときの歓声と、先輩のガッツポーズ。



あたしは、先輩から目が離せないでいた。



「すごい、かっこいい――」



隣でカヨがつぶやく。



「うん、かっこいい……」



あたしも、同意して。

次の瞬間。


「カイト先輩って」


「五味先生って」


お互い、違う人の名前を続けたものだから。



あたし達は顔を見合わせて、プっと笑ったのだった。