五味先生の後姿を見つめながら、カヨがあたしの服の袖をひっぱる。


「ちょっと、セーラ、知ってたの? 五味先生とカイト先輩が同じバスケサークルにいるって」



「この前、カイト先輩に聞いて知ったの。ちょっとしたサプライズでしょ?」



「最高のサプライズだよ~」



カヨはあたしに抱きついてきた。



――渋谷で会った時に五味先生と一緒にいた女の人のことは、カヨには言わないでいいよね。

女の人をとっかえひっかえしてるっていうのも……

今は話すこともない。



実は五味先生があたし達と同じ高校出身であることを話すと、「知らなかった」とカヨは目を丸くしていた。