「それにしても、ついにあたしも、カヨの好きなその先生に会えるのね」



実は、新学期から、あたしもカヨと同じ塾に通うことにしたのだ。

カイト先輩は相変わらず勉強を見てくれるけど。

先輩に会わない日も、きちんと勉強することにした。


そのワケは……



「それにしても、セーラが東大をめざすって言いだすなんて、ビックリなんだけど」



カヨが未だに信じられないといった様子で首をふった。

あたしはグっとこぶしを握って、答える。



「たとえあたしが現役で受かっても、あたしが入学するときには、カイト先輩は卒業してるでしょ。

だから、一緒のキャンパスライフを送れるはずもないと思ってたんだけど……

カイト先輩ね、大学卒業後は大学院に進学するつもりなんだって。

ってことは、あたしが東大に入れば、めでたく一緒に通えるってわけよ!」