「ほら、あたし、塾の先生に告白して振られちゃったって話したじゃない?

でもね、先生のことを好きになったから、褒められたくて勉強がんばって……

そのおかげで、その先生に習ってる物理と数学が、あたしの得意科目になったの。

自分には理系科目が向いてるんだってことが分かったし、将来進みたい学部も見えてきた。

だからね、あたしも、先生のこと好きになって良かったと思ってるんだ」



「そっか」



カヨの失恋も、しっかりと未来へつながっている。