「やったね、セーラッ!」



退院後、家で静養をしているあたしのもとへ、カヨがお見舞いに来てくれて。

カイト先輩とのことを報告すると、カヨはあたしに抱きついてきた。



「おめでとう!」



「ありがとう!」



ひとしきり喜びあった後で、カヨはクッションに腰をおろした。

ママが持ってきてくれたカルピスをストローでクルクルとかき混ぜながら、カヨは「それにしてもさぁ」と、遠い目をする。



「最近ね、あたし、しみじみ思うの。人生に無駄なことって、何ひとつないよねぇ」



「えー? なぁに、突然」