カイト先輩がお見舞いに来てくれたのは、2日後のことだった。



「調子はどう?」



ちょうど、ママがあたしの着替えのパジャマを取りに家に帰った直後で。

個室の病室に二人きりなんて、なんだか緊張する。



「おかげさまで、なんとか……あ、そのイスに座ってください」



「うん。あ、これ、お見舞い」



先輩が差し出してくれたのは、オレンジ系のフラワーアレンジメントだった。



「わぁ、かわいい。ありがとうございます」



受け取りながら、あたしは――


ちょっと、これってば、あたしが先輩からもらう初めてのプレゼントじゃない?


なんて、感動してしまう。


お見舞いの花にすら感動するなんて、かなりの重症だ、あたしの恋の病は。