~3歳の春~


「行ってきまぁす!♪」

あんなにわめいていたにも関わらず、私は笑顔でバスに乗り込んだ。



「いってらっしゃい。


   
 運転手さん
 お願いします!!」
  

これが多分この世界で聞いた母の最後の言葉...

 
「はい」







  ‐ブーン‐

どこにでもありそうな とくに代り映えのしない道をバスは進んだ。



  ‐カチ カチ カチ‐



「はい。

 みんなついたから降りようね♪」

どうやら、バスは幼稚園に着いたようで、運転手は園児にそう声をかけた。



「「「はぁい!!」」」

みんな、こう返事をした。


このあと、あんなことがあるなんてまるで思わず ただ、無邪気に…