アタシと王子様



「桃花〜!!こっちこっち」



奥の席に座った光が大きく手を振っているのが見えた。



「ひか…」



「ちょっと!!」



光の元に向かおうとしたあたしをさっきの客が不機嫌な声で、また呼び止めた。


「…涼平は?まだ起きて来ないの?」



「…もうすぐ下りて来ると思います」



テーブルの上の灰皿は吸殻でいっぱいになっていてすぐに新しい灰皿を置いた。