階段をゆっくり上り左側のドアの前に立ってノックする。 「先輩〜…開けますよ?」 聞こえていないとしても礼儀のつもりで声をかけ、ドアを開けた。 「…入りま〜す」 中に顔を覗き込ませ部屋を見渡すとクーラーの効いた空気に汗が引いたのが分かった。 「……ていうか」 男の人の部屋に入るのって初めてだ… なんかドキドキする… 足を忍ばせ床に散らかった服やら雑誌やらを避けながら気持ち良さそうに寝息を立てる先輩に近づいた。