「…すんません、読みません」 「はい、よろしい」 さすがに冗談も思いつかなかったのか白状した。 もう少しで補充が終わりそうになった頃、店の入り口にあるベルが綺麗な音を鳴らしてお客さんが来た事を知らせた。 「あ!あたし出ますね」 「じゃあ、これ終わらせとくよ」 表へ急ぎトレーに水を乗せテーブルに向かうと 「桃花ちゃん!」 彼女を連れた祐介さんが、あたしに手を振った。