そして、数日後。 「お疲れ様。 ありがとうね。」 「お疲れ様でした。」 シゲに挨拶をしてあたしは車から降りる。 最近はやっと夜でも暖かくなってきたと思う。 今日は月も綺麗に輝いていた。 「ふぅ、疲れた。」 シャワーを浴び、冷蔵庫からビールを取り出しゴクゴクっと喉に流し込む。 ベッドに座り、出窓から月を眺めるのが最近の日課になっていた。 その時、カタッと微かに玄関の外から音が聞こえた。 玄関の前は廊下で、もちろんあたし以外の人も住んでいるわけだから、たいした気にもしなかった。