内藤さんの視線の先には森田さんがいて、彼は怖い目をしてあたし達を見ていた。
「そうだよ。」
「なんか危なくないか?
気をつけろよ?」
「えっ?
あっ、うん。」
確かに最近の森田さんは少しおかしかった。
前は週に2回ぐらいの来店だったのに、今は1日おきで顔を出す。
あたしとしては指名が取れて嬉しいけれど、こんなに頻繁に来て安くもないお金を使うなんて不思議ではあった。
それに、あたしが他のお客さんに付くと、怖い目をして見てくる。
けれど、あたしが森田さんの席に戻るとニコニコと楽しそうに話をし始める。
内藤さんに言われて、あたしは少し森田さんに気をつけるようになった。

