レンに買い物に付き合ってほしいと言われたけど、何を買うかは聞いていない。 まだお昼を過ぎたばかりで、あたしは陽射しのきつさに多少目眩をおぼえる。 煙草を吸いながら運転するレンに目をやれば、今日も全身真っ黒で陽射しが似合わない男だなと可笑しくなった。 「何ニヤけてるんだよ。」 「レンには夜の方が似合ってるなって思ったの。」 「俺は太陽の下だって堂々と歩く。」 そんな会話をしながら目的地に着いたらしく、あたし達は車から降りた。 「買い物って、まさか車でも買うの?」 「おう。」