「あっ、はい。 レンさん、すいませんが先に失礼します。」 「おう。」 あたしに急かされ、悟くんは慌てて帰って行った。 レンはあたしの様子を不思議そうに見ていたけど、特に何も聞いてはこない。 この前もあたしが言葉を濁したからだと思う。 翌日、仕事に行く準備をしていると、和香ちゃんがマンションへと訪ねてきた。 「すいません、仕事前の忙しい時に。」 「ううん。」 「昨日は、病院に付き添ってくれてありがとうございました。 仕事、休んですいません。」