あたしの横に座った和香ちゃんは、小さな声でただ一言だけ呟いた。 「…出来てました。」 「そっか。」 少しだけ、和香ちゃんが震えているように見えた。 病院を出たあたし達は、とりあえず近くのカフェへと入った。 「あたし…どうしたらいいんでしょう?」 「和香ちゃんは、産みたい?」 「わかんないです。」 「悟くんにも話さないとね。」 「…はい。」 結局、あたしは何も言葉をかけてあげる事が出来なかった。 一旦別れてマンションへと帰り、仕事の準備をしてあたしは同伴の待ち合わせ場所へと向かった。