あたしは急いで着替えを済ませ、真琴や和香ちゃんに軽く挨拶をしてお店の外に出る。 「おい。」 レンは車に寄り掛かり煙草をふかしていた。 全身に黒をまとっているこの男は、こんなネオンに照らされてないと見失ってしまいそう。 あたしは足早にレンの車の助手席に乗り込んだ。 車の中はレンの香水と煙草の匂いが混ざりあっていて、あたしにはそれがすごく安心する匂いだった。 車を走らせて、あたし達はレンのマンションへと向かった。 リビングに入ったあたしは、部屋の変わりように少々驚いてしまう。