「あたしも仕事の準備があるんで今日は帰りますね。 ミユさんはどうします?」 「あたしは、着替えも持って来てるし、ギリギリまでここに居る。 和香ちゃん、悟くん、一緒に居てくれてありがとう。」 二人を見送り、あたしはまたレンの病室へと戻る。 「ねぇ、レン? もう目を覚ましてもいいんだよ? …またあたしを抱きしめてよ。」 一人になると、やっぱり涙が込み上げてしまう。 結局、今日もレンが意識を取り戻す事はなかった。 本当はずっとレンの側に居たいけど、そんな事も言ってはいられない。