レンのところに持って行く物を用意しようと、クローゼットを開けた途端に微かに香る香水の匂い。
堪らなくレンが恋しくなった。
結局、あたしは睡眠を取る事なく、迎えに来てくれた和香ちゃんと悟くんと共に病院へと向かった。
レンは個室へと移っていたけれど、まだ意識を取り戻してはいなかった。
和香ちゃんと悟くんが話しかけても、レンの反応は全くない。
あたしはベッドの横に置いてある椅子に座り、ただじっとレンが目覚めてくれる事を願った。
「ミユさん、すいません。
俺、一度仕事の事で行かないといけないんですよ。」

