内藤さんが来てくれて、あたしは彼の席についていた。 唯一あたしが気を張らずに接客出来るお客さんで、内藤さんはあたしに接客を求めてはいない。 年齢はあたしからしたら父親ぐらいの世代だと思うけど、彼には子供がいなくてあたしの事を我が子のように可愛がってくれている。 そんなあたしも、内藤さんを父親のように慕っていた。 「ミユさん、ご指名です。」 「はい。」 内藤さんに挨拶をして黒服の後に続いて行くと、あたしはそのテーブルの前で目を見開いた。 そこにはレンともう一人が座っていた。