ディスプレイには“母親”の文字。
あたしは、息を飲み込んだ。
「…もしもし?」
『あたし。
ちょっとさ、悪いんだけどお金貸してくれない?
いくらでもいいから。
駅前の喫茶店に居るからすぐ持ってきて。』
用件だけを早口でまくし立て、母親は電話を切った。
また、お金の無心。
静かに財布とケータイを持ち、あたしは待ち合わせ場所へと向かった。
途中でATMに寄りお金を下ろして行くと、母親は煙草を吸いながら待っていた。
「久しぶり。」
真っ赤な唇をして、不敵に微笑むこの女は紛れも無くあたしの母親。
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