一瞬目が合い、彼女はフッと頬を緩ませて紅茶のカップに手を触れた。 「単刀直入に本題に入るわね。」 「はい。」 「あたし、今月いっぱいでお店を辞める事になったの。」 「えっ?」 蘭さんの話は突然すぎて驚いてしまった。 「他のお店に移るんですか?」 「ううん。 引退して、結婚する事になったの。」 「結婚!?」 結婚というワードがどうしても蘭さんと結びつかず、あたしは目を見開いてしまう。 普段それほどお店で会話をする事はないけれど、彼女には浮いた話が一切なかった。